2008.08.01
建築家グレン・マーカットについて
こんにちは。RCエイジの長谷です。


乃木坂のTOTOギャラリー間で開催中の「Grenn Murcutt 展(グレン・マーカット)」に行ってきました。

オーストラリアの建築家、グレン・マーカット氏は、プリツカー賞をはじめ、
国内外の数々の受賞歴をもつ、現代建築界を代表する巨匠のひとりです。
1969年、個人事務所を設立して以来、所員や秘書を置かず、コンピュータなどにも頼らず、
設計に関わる行為を独力でこなすという姿勢を貫いており、個人住宅を中心に、プロジェクトを含めると500件近くもの設計を手掛けています。
その作品はオーストラリアの風土を見つめ続け、環境との融合が見事に響き合ったサスティナビリティに富んだ住宅群に代表されます。
エアコンなどの設備機器に頼ることなく自然の通風をもたらすプランニングや換気口の配し方、
光と影・風・害虫をうまくコントロールする精確な可動式ルーバーと網戸とガラス戸の3層の開口、
水不足解消のための雨樋と雨水タンク、スチール線材や木材といったリサイクル可能な部材と工法により、繰り返される増改築...。
マーカットの建築には細部にわたり、自然環境と対峙し、その恩恵を最大限に生かす工夫がなされています。
この建築家のことを今回の個展を見るまでほとんど知りませんでした。
日本では、建築に携わっている方でも、彼の事を知らない人は意外と多いのではないでしょうか?
建築家のノーベル賞と言われるプリッカー賞を受賞した建築家であるにも関わらず、
個人事務所で全て一人で設計をこなしていく姿勢や、規模の大きな建築を手がけず
一貫したコンセプトである自然と一体化するような建築を造り続ける姿勢は、逆に新鮮でした。
北欧の建築家アルバア・アアルトの影響を受けた彼の建築は、自然環境を生かした、
静穏な空間を写真からも感じることができます。
インタビューで印象に残った彼の言葉を二つほど
「私は多くの人になぜあなたは大きな建築をつくらないのかといわれます。
でもそんなことを聞く方に逆に聞きたい「なぜあなたは小さな建築をつくらないのかと・・・」
私は普通のことを並外れた熱意で行っているだけだ。」
「建築の本質的な主題は、人間であり、その歴史と文化である。
空間、光、素材をどうつなげて建てるか。土地への責任。
良いデザインとは、これらを理解してその答えを見つけるまで模索を続けることである。
建築とは、見出す過程そのものである。」
建築の奥深さを体感できた展覧会でした。
▼写真を見るだけで、静けさがあり、気持ちの良さそうな空間だということがわかります。
グレンマーカットの代表作「シンプソン=リー邸」
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